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アリアルド・ハティクス

アリアルド・ハティクス
名前アリアルド・ハティクス
年齢25歳
身長170cm
体重65kg
職業魔術師(ウィザード)
性格几帳面。常にいらいらとしていて、怒りっぽい。

魔術師の苛立ち

アリアルドは、いらいらとしながら馬を走らせた。
彼のすぐ後ろには、雇っている戦士が二人馬を走らせている。
大雨の塔と呼ばれる遺跡の噂を聞いたのは、都市ダヤンでのことだった。噂によると、そこは大昔には、ドルイド(魔術師とは別の技術によって魔法を操る人々)が住んでいたということだ。ドルイドは、多くの予言を残している。その中には、闇を払う八つの光玉についての予言もあった。
なんにしても、何かの情報は得られるかもしれない、そう思い、さっそく塔に向かっているところだった。
それで、なぜ、アリアルドがいらいらとしているのいかというと、ダヤンで雇った二人の戦士に不満があるからである。
さきほどから、後ろで、下品なことを大声で話したり、笑ったり、これから謎の多いドルイドの秘密に迫ろうというのに、雰囲気がぶち壊しである。
沈黙の魔法でもかけてやろうか、と何度も思うが、そのたびに、なんとかこらえる。今は、余計なことをしている場合ではない。
それから、数時間後、一行の前に、天高くそびえ立つ塔が立ちはだかっていた。黒光りする石がきれいに合わされた、見るも美しい塔だ。その正面には、大きな鋼鉄の扉があった。
「こりゃあ、開きそうもありませんぜ、旦那」
戦士の一人が、門をガンガンと叩き、いった。
「だから、いったでしょうが。この塔に入ろうと思った奴は、そりゃあ山ほどいますがね、入れた奴は誰もいないって」
「少し黙っていろ、間抜けどもが」
アリアルドは、馬にくくりつけた杖をおろし、握った。
心を落ち着けて、呪文を唱える。探知の魔法だ。
やがて頭の中に、イメージがわきあがった。
「ふん、大した細工ではないな。ついてこい、低脳ども」
アリアルドは、塔の周りを歩いた。
やがて、ちょうど門の裏側に来ると、コツコツと、杖で壁面を叩いていく。
その動きが止まった。
「これか」
黒い壁面に手を当て、目を閉じる。
石に魔力の流れが感じられる。ねじくれて、まるで絡まった紐だ。それを丁寧にほどいていく。
小さな地震が起こった。門が開いたのだ。
塔の中は、罠や番人の巣窟だった。戦士の腕は、二人ともいまひとつだったが、アリアルドは大して気にはしなかった。
もともと、大して期待していなかったのだ。魔法を使うときに楯になってくれれば十分だ。
ようやく、お目当ての書庫にたどり着いた。だだっぴろい空間に、本が山のようにある。
「ふっ」
アリアルドは、髪をかきあげた。自画自賛をしている最中だ。
「ひっ、だ、旦那ああ」
「なんだ、うるさいやつめ」
振り返ったアリアルドは、息をのんだ。巨大な蜘蛛が天井から糸でぶら下がっている。そして、蜘蛛の巣にはりついた戦士達。
「役立たずどもが」
アリアルドは舌打ちすると、蜘蛛の糸をかわし、呪文を唱えた。
「おい、クズども、逃げ出すチャンスをやる。うまくつかめよ」
アリアルドは、杖を蜘蛛の巣に向けた。
青白い光の刃が、蜘蛛の巣を切り裂く。戦士達のいましめが外れた。
アリアルドは、勝ち誇った顔で、大蜘蛛を見下すと、次の呪文を唱え始める。
「ひいい」
戦士の一人、名前は、アドルだったか、アベルだったか、が蜘蛛の牙に襲われた。
アリアルドが杖を振るう。大蜘蛛は霧のように消滅した。
「おい、おい! しっかりしろよ」
無傷な方の戦士、名前は、カインだったか、ゲインだったか、がアドル(アベル?)を揺らしている。
アリアルドは、近づくと、カイン(ゲイン?)を蹴飛ばした。
「邪魔だ、どけ」
見ると、アベル(アドル?)は、毒を受けていた。それも、ただの毒ではない。
「ふん、帰るぞ」
アリアルドの言葉を聞いて、ゲイン(カイン?)は首をかしげた。
「早く帰らねば、その馬鹿を死なすことになるぞ」
言うと、アリアルドは、さっさと部屋を後にした。
「だ、旦那、でもここに用があったんじゃあ」
「また来ればすむことだ。言っておくが、追加の代金は払わんからな」
不機嫌そうにアリアルドはいった。

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