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ガー・ガル・アル

ガー・ガル・アル
名前ガー・ガル・アル
年齢22歳
身長167cm
体重59kg
職業蛮族(バーバリアン)
性格寡黙で思慮深い。

運命の出会い

(北の人々は、騒がしい)
ガーは、金物屋の店先に座り込み、道行く人々を眺めていた。黒光りする上半身を露出しているガーを、人々は、ちらちらと眺めていく。そちらの方はガーには、大して気にはならなかったが、人の中を歩いていくのはなんとも疲れる。
(なぜ、こんな狭いところに集まるのだ)
ガーにしてみれば、街を囲う外壁も、通りに敷かれた敷石も、息苦しくてかなわない。
八つの光玉集めの方は、中々はかどらない。しかし、ガーは特にあせりはしなかった。言葉は通じるが、情報を集めるでもなく、街に行っては数日座り込み、また街を移動するというようなことを繰り返している。なぜ、こんなことをしているのか、自分でもわからないが、とにかくそれが必要な気がするのだ。これもきっと、精霊のお導きだろう。
その日、ガーは夢を見た。廃墟で、まだ幼さを残した剣士が、魔物に襲われている。剣士は、中々の手利きだが、魔物の数に苦戦を強いられている。助けなければ、強くそう感じた瞬間、目が覚めた。
「ふむ」
ガーは、起き上がると、路地裏から出た。道行く人に、手当たり次第に話しかける。廃墟の場所を知るためだ。たいがいの人が、聞こえなかったかのように通り過ぎるが、中には足を止め、話を聞いてくれる者もいた。
やがて、廃墟の場所を聞き出し、ガーは向かった。
そこは、街から半日ほど、東に行ったところにあった。崩れ去った家。燃え残った家畜小屋。枯れた井戸。十年ほど、前までここにひとつの村があったという。
日は、沈みかけている。何か、得体の知れないものが、自分を見ているような気がする。
「グルルルル」
ガーは、うなり声をあげた。そのままじっくりと気配をうかがう。
何かが、動き回っている。やがて、その何かは、周囲からいなくなった。
(あきらめたわけではないだろうが・・・)
物音が聞こえた。奥の方だ。ガーは走った。
夢で見た通りの光景があった。金髪の少年が人の形をした黒い影に囲まれている。黒い影は、鎧兜で身をかため、剣と楯を構えた戦士を、墨か何かで黒く塗りつぶしたようなものだった。
剣士は、影の騎士よりも圧倒的に高い技量をもっているが数に押されている。だが・・・。
(笑っている・・・)
まるで、友人と練習でもしているような、気楽な笑顔で剣を振るう剣士。余裕があるわけではない。確実に追い詰められている。
剣士が、ふいに、ガーの方を見た。
「お〜い、そこの方。できたら、助けてくれませんかねえ。ちょっと、ピンチなんですよ〜」
叫ぶ声も、のんびりとしていて緊迫感のかけらもない。
「変なやつだ」
いいながらも、ガーは、背中の弓をとり、矢をつがえた。そして、すぐに矢を放つ。はたから見ると、狙いをつけずに射たとしか思えない早業だ。しかし、影のひとつに命中し、影は溶けてしまった。
続けて、二本、三本と打ち込む。剣士と接するようにつばぜり合いをしていた影が消え、剣士の背後に回りこんでいた影も消えた。残った影は、剣士が片付けてしまった。
「いやあ〜、助かりましたよ。さすがに、今回ばかりは、死ぬかと思いました。あなたが、偶然、通りかかってくれなかったら、ははははは」
剣士が笑顔で握手を求めてきた。ガーは、北の人々の習慣を知ってはいたが、その手はとらなかった。
「死ぬのが怖くないのか?」
聞いた。
「えっ、怖いに決まってますよ。まだ、心臓がドキドキいってます」
「ならば、なぜ笑う?」
剣士は、瞬きを繰り返し、それから、ふむ、と考え込んだ。
「いや、なんか、面白いことを思いついたんだよなあ。なんだったっけな。気になるな。う〜ん」
真剣に考え込み、それからはっと、気づいたようにガーの顔を見た。
「思い出した! ええとですね・・・」
それから、剣士は、ガーに影の騎士と戦いながら思いついた面白いこと、を話したが、ガーには何が面白いのかさっぱりわからなかった。
(変な奴だ)
ガーはあらためて思った。

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