マイク・ロック
名前 | マイク・ロック |
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年齢 | 30歳 |
身長 | 185cm |
体重 | 75kg |
職業 | 戦士(ウォーリア) |
性格 | 基本的にやる気がない。 |
二人の旅路
「起きてくださいませ、マイク様」
ゆさゆさと体が揺さぶられ、マイクは半目を開けた。白い布をかぶった目の大きな女が覗き込んでいる。
「はああ、だるい」
マイクは、女の顔に向かった大きく息を吐いた。女、ハルゥが顔をしかめた。
「お酒臭いですよ。マイク様、いい加減に目を覚ましてくださいませ。もう、お日様は昇っちゃってるんですよ」
「いいじゃねえか、別にあてがある旅でもねえんだし」
マイクは言うと、ごろんと寝返りをうって、ハルゥに背を向けた。ゆさゆさと、ハルゥが再び体を揺らす。
「ありますよ! 私達は、八つの光玉を捜さなくてはならないのです」
「だからあ、どこにあるの、それ?」
「それを調べるために、この街に来たのですよ! 早く、情報を集めに行きましょうよ」
「まかせる、おやすみ」
夢うつつの中で、マイクは、昨夜、酒場で聞き込んだ情報を、思い返していた。
二十年前に、この街で起こった奇跡、について。そして、奇跡を起こした貴族が、変死を遂げる前に財宝をどこかへ隠したということを。まあ、なんにせよ、もうひと眠りしてからでも、遅くはあるまい。マイクは眠りについた。
再び、体を揺らされる。
「お客様、お客様、お連れ様が大変でございますよ」
「はあ?」
宿の主人が青ざめた顔で、立っていた。どうやら、例によってハルゥがトラブルに巻き込まれたらしい。
「それで、あいつが、どうしたんです?」
「はい、それが、ガル盗賊団の者たちの怒りを買って、連れ去られたとか。人づてに聞いたものですが、この街にはアルティータあの方くらいしか・・・」
マイクは、はあ、とため息をついた。いっそうのこと、知らない振りをしておこうか、と思いもする。ともかく、ハルゥは、いろんな災難に巻き込まれたり、引き起こしたりするのだ。
それから、わずかな時間の後、マイクは大斧をひっさげて、盗賊団のアジトとされる以前は貴族の邸宅だった廃墟へとやってきた。
門のところで、見張りに見咎められたが、面倒なのでぶん殴って気絶させる。
「さて、行くか」
邸内に入ると、次から次へと男達が短剣片手に襲い掛かってくる。
大斧を振り回して適当に撃退しながら、時々、ハルゥの名前を呼ぶマイク。
いきなり、その本人が、ドアを開けて現れた。
「あれ、マイク様。どうなさったんですかあ、こんなところで」
どうも、見たところ無事なようだ。
「どうも何も、助けに来たつもりだが・・・」
ハルゥは、なんだかよくわからないという顔をしている。
「盗賊団に捕まったと聞いたぞ」
「ええっ、違いますよ。首領さんにお話をうかがおうと思って、連れてきてもらったんです」
マイクは、ふう、とため息をついた。ハルゥはそのつもりでも、盗賊達は、首領におみやげでも持ってきたつもりだろう。
「それで、首領から話は聞いたのかい?」
「それが、そのう・・・。ご無体な真似をなさろうとするので、天罰を受けていただきました。今頃、神々の身元で、自分の行いを悔いていることでしょう」
そこへ、また、盗賊団の者達が、ばたばたと走ってきた。マイクは、大斧を構えながら、思った。
(なぜ、こんなことになってしまったんだ)