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マリアン・アンダオール

マリアン・アンダオール
名前マリアン・アンダオール
年齢17歳
身長167cm
体重
職業王女(プリンセス)+剣士
性格傲慢で高飛車。

めぐり会う者達

どこかで見た覚えがある。剣を構えながら、マリアンは記憶を探った。
黄金をつむいだような見事な金髪と、あのへらへらとしたしまりのない顔。
もう少しで、思い出せそうだ、というところで、試合開始を告げるドラが鳴らされた。
歓声が沸き起こった。マリアンはすり鉢の底のようなところで、その剣士と向かい合っていた。
ガイアルキンという都市は、古代文明の大都市である。そして、今やこの街は、強者達の集う場所と化していた。
コロシアムである。
この街では、毎日、朝から晩までコロシアムで戦いが繰り広げられている。何しろ、この街の唯一の産業なのだ。
観客達は賭けをし、闘士たちは賞金を求める。あるいは栄光を。
マリアンは、賞金も栄光も求めてはいなかった。彼女が求めているのは、今回の商品、永遠の首飾りだ。
このコロシアムでは、一年に一度、大掛かりなトーナメントを開いている。そして、その優勝者には、栄光と賞金、そして、貴重なアイテムが送られるのだ。
マリアンの調べたところによると、あの永遠の首飾り三つの大きな宝石がはまっている。両側にルビーとエメラルド、そして、真ん中には、光り輝く玉。
あと一度勝てば、光玉を手に入れることができる。そう、この男さえ倒せば。
男が、走ってきた。走りながらも、隙のない構えで、こちらの出方をうかがっている。
男の技量が、自分と同等か、それよりも上だろうということは、彼の今までの試合を見てわかっている。最初から全力でいかなくては、勝ち目はない。
男が間合いに入った。剣を振るうマリアン。
しかし、男はそれをかわし、鋭い一撃をくれた。
なんとか、それをかわすマリアン。男の太刀筋の鋭さに鳥肌がたった。
おまけに、男は、あいも変わらずへらへらと笑みを浮かべている。虫も殺さないような顔の癖に、さっきの一撃は、完全に斬るつもりだった。もっとも、マリアンも最初からそのつもりなので、人のことは言えないが。
男との戦いは長引いた。両者の実力が伯仲しているためだ。
何合と剣を打ち合ううちに、マリアンには、はっきりとわかったことがある。わずかな差ではあるが、相手の方が実力が上だということを。それは、純粋に技量としての部分だ。体力を考えれば、マリアンの方がずっと劣っている。
やがて、勝負は決まった。男の剣が、マリアンの剣に絡みつくような動きを見せ、奪い去ったのだ。
次の瞬間、相手の剣が首筋に突きつけられていた。
マリアンは両手をあげて、敗北の意思表示をした。勝負ありのドラが鳴る。
「へらへら、へらへら。本当に、腹が立ちますわ、あなた! そんなにうれしいのですか?」
「そりゃあ、うれしいですよ。数年前の屈辱を晴らせたのですから」
「・・・・・・やはり、どこかでお会いしているのですね」
マリアンは、あらためて、男の顔をまじまじと見た。近くで見ると、はっきりと見覚えがある。
男が口を開いた。
「わたくし、あなたのことが気に入りました。早くわたくしよりも強くなってくださいまし。黄金色の貴公子様。あなたが、私に言った言葉です」
マリアンは、あっ、と叫んだ。
「ティタニスのバウフアー家の・・・・・・生きてらしたんですね。お元気でしたか?」
「ええ、まあ、ぼちぼちとやってますよ、お姫様。おかげさまで、と言った方がよいですかね」
「そのものいい・・・。あなた、何かわたくしに、含むところがあるのですか?」
言った後で、マリアンは重要なことを思い出した。
ティタニス王家を滅ぼしたのは、マリアンの父が治めるドーン王国なのだ。
マリアンは、言葉に詰まった。
歓声はいまだ鳴りやまず、勝者の男を称えている。
その後、成り行きでマリアンは、オルガ一行と旅をすることになる。
二人が和解したのかというと・・・。
「今度、僕の間合いに入ってきたら切り捨てますよ」
「あなたこそ、わたくしをその汚らわしい目で、見ないでいただけますか」
まあ、こんな感じで・・・。
「あなたの笑顔を見ると、わたくし、虫唾が走りますの」
「はっはっは、それはお互い様ですよ」
今のところ、二人の仲が良くなる見込みはなさそうだ。

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